VF5 for sale! ②2016年06月18日 21時05分14秒

twitterならびにこちらでも告知させていただきましたFのVFは、無事に新ユーザーさんに引き渡しました。
これからこの楽器で音楽を楽しんでいただけたならお譲りできて嬉しいです。

ところでヤフオクなどの個人売買で、転売とかやめてとか、大事に使ってくれる方へ、などの呼びかけを目にします。
これらを言わせてしまう売主の気持ちはよく理解できます。

買ったけど気に入らなかったものを手放すのと、何かの都合で思い入れのあるものを放出するのでは全然心持ちが違い、物品そのものに対してごめんねと謝りたくなります。
だからこそ大事にしてください、あなたは手放さないであげてくださいなんて書いてしまうのでしょう。
擬人化してしまっているんですね。
なんか今回はわたし自身、クールに振る舞いつつ、ひしひしとそれを感じました。

でも楽器ですから、弾き手との相性も小さくありません。
使ってみて合わなければ、また海原へ放流するのが良いと、基本的には考えています。
一度手放したそのものを、後日中古市場で再入手したこともあります。
楽器を大事にする、というのは傷みを与えないようケアすることとともに、鳴らしてあげるということに他なりません。
誰かが使って、より良い音の鳴る楽器へ育っていくのであれば、ワンオーナーにたいしてこだわる必要はありません。

FのVFシリーズ、本当にいいと思うんですよね。
見る人が見れば贅沢な造りをしていることが分かります。
そして、それが弾き心地と音を高レベルに押し上げる、正当な理屈に則って施されているよう見受けられます。
これから、特に4弦が、沢山入ってくるといいなぁと思います。

売却の情報拡散にご協力頂いたみなさん、ありがとうございました。

VF5 for sale!2016年06月14日 16時52分17秒

ちょっと時間が空いてしまいましたが、先日Twitterで「売りたいのですが」と紹介したF-bassのVF5について、こちらのスペースで詳細を述べることにしました。

こちらは2015年3月完成のロットになります。
前年秋頃にFacebookのF-bass公式ページでon going itemの情報が公開されており、文字のみですがリストアップされた情報からピンポイントで求めていた仕様の一本がありましたので、正規代理店へ輸入して頂くよう依頼して、購入したものになります。
ですから、試奏することなく注文し、賭けのようなものでしたが、手に入れた本機はまさに逸品でした。

F-bassは通常ノーザン・アッシュをボディ材に使用しており、5弦であるならば4.5kg以上が、そのトーンを保証する要件であるかのようでしたが、こちらはアルダーボディ、スケールが34インチと、BNよりはやや短いながらも5弦にして3.8kgという、驚きの軽量ぶりでした。
これは大変にありがたかったです。

これに先だって、より初期のアルダー/ローズのVFを中古市場で見つけ、すっかり音質の良さに惚れ込み入手し、早速使用したならば、ライブそのものの第一印象として「ベースの音がいい」とプロのギタリストに言わしめた程でしたが、重量はやはりいつものF-bassでした。

わたしがこのスペックを選んだのは、フェンダーのJBにおいて、プリCBSのリアルビンテージを除けば、1972〜74年頃のアルダーボディ/メイプルワンピースネックの、いわゆる「ゲディ・リー・モデル」の年代が、一番使い勝手が良くて好きだったことがあります。
この頃のフェンダーを実際に使用していましたが、その感じのまま5弦が欲しいと、模索していたところ、先のリストに1本だけそれがあったのでした。

マーカス的な70年代後半、アッシュボディのJBが5kg近辺のヘビー級であるのに対し、4ボルト期、すなわち74年頃までのそれはアッシュを含めて4kg切るものも多くあり、軽いアルダーで、リアPUがブリッジに寄せられた70年代仕様のPUロケーション、という組み合わせで、今の時代でも汎用性の高い楽器が成立することに気付いておりました。

ですので、こちらのVF5は貼り指板ですがメイプルボード、そして軽量なアルダーボディ、70年代PUポジションというセッティング、ポジションマークはドットですがネックにセルバインディングが施され、ジョージ・ファーラネット氏は、おそらく軽量なアルダー材が手に入った時すでに、この路線で楽器を仕上げようと思ったに違いありません。

実機の印象を言いますと、まずローB弦への音質・音量のつながりが非常にナチュラルで、まったくの4弦の延長で5弦が鳴ってくれ、文脈的にはまさにフェンダーですが、緻密な計算上でそれを実現している背景事情を伺えます。
奏者としては、地味な楽器でありながら、そのキャラクターへの理解があったなら、使用上の何らのストレスも感じることがないでしょう。
その意味で、たいへん「オトナな」楽器です。

標準価格に上乗せされているのが、オリンピック・ホワイトカラー、ネック・セル・バインディング、ドットポジションマークの3点ですが、それぞれが高額であり、一番の円安時期とあって購入価格はざっくり60万円ほどでした。
Twitterでは売却希望価格を32万円(発送が必要な場合は送料込み)とご案内いたしました。
大変気に入っておりますが、弦間の狭いタイプの多弦ベースを注文する資金にすべく、泣く泣く手放す決意をしました。
楽器店への委託手数料を考慮すると、相場から逆算される売却価格が納得のいくものに届かないため、個人間の直接取引が成立するまで、粘り強く待ちたいと思っています。
こちらへのご連絡、お問い合わせは、お手数ですがTwitterを経由して頂けると助かります。

なお、大事なことでしたが、ブリッジはHipshoto製で始めスティールのものが付いていましたが、アルミのものに交換しました。
元のブリッジも付属いたします。
穴位置が異なり、プロの手により追加の加工を行い、再セッティングをしておりますのでこのままでお渡ししたいです。
以上、完全なオリジナルコンディションではありませんのでご理解の頂ける方にお譲りできればと思います。

画像の置き場:http://yahoo.jp/box/9iCm16
※取引完了につきリンク先は削除いたしました

リスト更新⑤2016年06月10日 11時50分25秒

同率11位となる3本所有の、もう一方はCitronでした。

製作家のハービー・シトロン氏は、ウッドストックの自宅を訪ねたことがあります。
そこで彼の作ったBO-4という楽器を直接売ってもらいました。

プレーンなメイプルトップに、ホワイトリンバボディ、ネックはメイプルで指板がウェンジでした。
近郊に住むマイケル・トバイアス氏の好みそうな材の組み合わせで、何かしらの影響を感じます。
アメリカの個人製作家は、これくらいの大御所となっても触発され合って切磋琢磨している様子を覗えるのが興味深いです。

今はシトロンPUを自家製で用意しますが、当時は既成のパーツを乗せていましたので、ここにはアクティブサーキットと共にEMGが付けられていました。
とても好きな楽器でしたが、G線Eb付近にデッドスポットが目立つため、これを手放しました。
泣く泣くというやつです。

持っていた楽器のボディ材は、それまでセン、アルダー、アッシュ、マホガニー、バスウッドといったものが使用されていました。
ウォルナットなども市場にありましたが、自分で買ったことはその時点ではなく、このシトロンのリンバ(コリーナ)がいわゆるエキゾチック・ウッドとしては初になります。

というわけで、これを契機に木材志向を強めてしまいます。
2002年のことです。
木材事典的な書物を、洋書メインにずいぶん集めました。
どんな材がどんな音の楽器となるのか探求を始めたのが、100本を超える履歴を形成する発端となりました。
ハービーに会ってしまったのが間違いの始まりだったのです。

彼はたしか建築家となるべく勉強をした人で、精密な図面を引くのは得意とするところなはずです。
全ての楽器が、仕入れた木材から自ら切り出し、顧客の細かいリクエストを反映した設計図通りに組み上げられます。
決して多作家ではありませんが、著名な楽器奏者の信頼を得て、半世紀の経験を持ってしても日進月歩を止めません。
名人によってノミとカンナで削り出されたネックやボディの感触は、コンピューターに管理され量産される大企業の製作物とはまるで異なり、筋肉質なアスリートの肌のように研ぎ澄まされ、生々しく、訴えかけてくるものがあります。

33インチ、22フレット、弦間19mmで、その後BO-5をオーダーします。
それだけ(とカラー)を伝え、仕様はおまかせしたところ、メイプルトップ/アッシュバック/メイプル3ピースネック/マッカサーエボニー指板/シトロン・ハンドメイドPU/アギラープリアンプという仕様でできあがってきました。
タグにはわたしの40数回目の誕生日に当たる日付が刻まれていました。

音の方は、かつてのBO-4ほどには気に入らず、しかし楽器としての愛着はそれ以上のものがあって、なんとか好みに近づけるべくサーキットとPUを相当数試してみました。
最近になって、ノードストランドで特注したPUが満足のいく音を出してくれ、サーキットはパッシブのままですが、漸くまた仕事で使える気分になってきました。

もう1本のシトロンについてはまた別の機会に話しましょう。

リスト更新④2016年06月07日 21時09分01秒

数えてみたらこれまでに101本のベースを所有したことがわかりました。
時系列では並べられませんでしたが、ブランド毎に整理すると、そこから浮かび上がる事実があります。

便宜上ベスト10として紹介してきましたが、その合計で56本ですから、残り45本は、3本所有していたブランド、2本だけ、1本だけといったもので占められます。
45本というのもすごいですね。
3本持っていたブランドは2社あり、Fender JapanとCitronになります。

フェンダージャパンは実を言うと全ていまでも持っています。
古いJBをフレットレスとフレッテッドで、別途オークションでジャンクの物を手に入れ、一方のボディのお腹の辺りをスイミングプールのように穴を空け、PUをどこに付けるとどんな音がするのか試せるように改造しました。
これに2本のネックを差し替えて、フレット有無でも試せるようにした、実験用「2コ1」となっています。
PUはEMGでJJやPJ、ブリッジはバダスが付いています。
現場で使える状態ではありませんが、結構良い音がします。

もう1本は5弦のフレットレスでPBシェイプですが、これも元はフレッテッドでした。
ナローネックで弦間が狭く、今求めている楽器の雛形となったとも言えます。
バーチーズの斉藤さんに加工を依頼し、フレット高の減少分をコーティングで稼いでおり、ネックポケットをシムなどで弄ることなくベストなセッティングを出せています。
PUはPだけでしたが、Jを追加すべく、更なる加工を依頼中です。
EMGを付けていましたが、ビルローレンスも用意してあり、パッシブにするかも知れません。
Jの位置は先の実験用ベースで決定した特殊な場所で、リアというよりセンターです。

弾き心地の追求とともに、自分の信じる良い音を出したくて、PUやハードウェアなどのコンポーネンツの選定だけに止まらず、様々なことを考え、実践しています。
自分が製作家でないのは歯がゆいですが、色々とやってくれる方が周囲におりますので協力を仰いでいます。
PUの位置は、できあがった楽器で変えるには大事ですが、新しく作る場合には自由に選べる要素の一つです。
既存の価値観にとらわれず、いろいろやってみたら良いのにと思いますが、既製品は保守的なユーザーに支えられているので冒険は難しそうです。

リスト更新③2016年06月07日 01時16分16秒

これまでのところをおさらいしておくと、4本持っていたことがあるのはFender USA、Freedom Custom Guitar Research、Knooren Guitars、YAMAHA、5本持っていたことがあるのはAlleva-Coppolo、MTD、6本がKen Smith、7本がAlembicという順でした。

でいよいよ2位なのですが、こちらはすでに手放した物ばかりで、2002年より以前となります。
初めての1本は1989年のオーダーで、PBシェイプにブランドオリジナルのWハムバッカー仕様の、PJ的ともMM的とも言える特注品でした。
ワンピースの軽量なアルダーボディにシースルーのパールホワイト、指板はエボニー、ジュラルミンナット。
プロになったと線引きできる初仕事へはこのベースを携えて参加するも、古参のトランペッターに、聞いたことのない音と嫌われ、やがて不本意ながらJBをオーダーしました。

このPBシェイプには、同仕様で作ったフレットレスがあったことを、数日前に突如思い出しました。
PUをバルトリーニに交換した事がある、あれはどのベースだったかな?と思い巡らし、それまでに書き留めていたリストに漏れていたことに気付いたのです。
いや、交換しなかったな。
そう思ってPUを購入し、ついぞ使わず、共に手放したのだったかな。

最初のホワイトのは、結局一番最後まで持っていました。
本当に個性的で、鳴りが抜群で、ちょっと他に無い。
そして、先述のJBも90年代を通して殆どの仕事で使用し、同ブランドの5弦ベースをいくつか試した次に、Knoorenベースから6弦を模索する時代に入り、やがて人生の転機を迎えて、その時点で持っていた楽器を全て手放したのでした。

紹介が遅れましたが、以上はアートテックというブランドの話です。
製作された杉浦さんには、わたしの20代半ばから10年余り、ひとかたならぬお世話になりました。
本当に色々な事を教えて頂きましたが、ミレニアムを超えたところで疎遠となってしまい、心のこもった製作物を全て手放すに至って、その後ろめたさもあって、今も不通の状態となっています。

国内の楽器製作も、この頃は少し変化があるように思いますが、1960年代まで遡れば、ESPの椎野さん周辺の人物が牽引してきたというのが、部外者ではありますがわたしの歴史観です。
今でも業界をリードする現役の方々ばかりですので、彼等の送り出した様々な楽器を実際に使用してきた立場から思うところはありつつも、公に語るのは控えます。
しかし、中でもアートテックは、ずば抜けて良かったと明言しますし、そのおかげでわたしはこの仕事に就けたと感謝の弁しかありません。

生来の気質から、わたしは強く影響を受けた事柄にさえ、ある時をもって疑いの目を向けます。
信じる力が強いものですから、時に根幹を揺るがされる程の衝撃を受けると、そこから学べることを可能な限り受け入れてみます。
10年単位で時を経ると、自分の信じたそれが本物だったのか、ささやかながら検証してみます。
それはまた、影響下にあった時と同じかそれ以上の時間を必要としますが、咀嚼だけでは消化と言えません。

そう多くの事柄が、いまのわたしを形作ってるとも思えませんが、使用する楽器に関して、それを良いとか悪いとか、自分なりの判断を行えるのも、アートテック製の楽器で、使えるだけの時間をたっぷり練習に費やした時代があってこそだと考えています。

リスト更新②2016年06月06日 14時18分27秒

ランキング続編です。

なんのために順位を付けているかと言えば、大枚はたいて無造作に楽器を買っているわけではないことを自覚したいためです。
見た目に惚れる、ということもなかったわけではありませんが、何度も言うとおり、弾き心地について尋常ではないこだわりがあるらしく、ど真ん中のストライクを追求してきた履歴でもあり、そこには試みや迷いがあります。

塗色の嗜好も探ってみると良いと思うのですが、普段からフェンダー社がサーフボードに倣ったようにポップな色使いのオペック(塗りつぶし)が好きではありますが、案外そればかりではない気がします。
一番気に入っていたのは、言うまでもなくアレバ・コッポロのスパークリング・パープルでしたが、現在手元に残るフェンダーライクな楽器は青と赤のオペックで、サンバーストはあまり好きではありません。

付け加えれば、アッシュ材の太い導管が顕す筆で書いたような木目はあまり好きではなく、アルダーであったり、プレーンなメイプルであったり、はたまたスプルースのような淡泊な表情でないと楽器を手にした時に気持ちがくつろげません。
派手な色を好む一方で、派手な木目を嫌うのは、はじめ矛盾のように感じましたが、おそらくは前線を戦うパートナーには生き物然としたアピアランスより、道具的な無機質さを求める感覚を認めて、理に適うと思いました。

話が逸れました。
ベスト3を紹介します。

意外でしたが3位はアレンビックでした。
ブランドアイコンは、間違いなくスタンリー・クラークであり、彼のショートスケールベースなのですが、それと同型は1本だけで、ミディアムスケール(32インチ)は所有したことが無く、3本が34インチ、2本が35インチ、残りは33.25インチとなります。

ここは基本的に、スルーネック構造でオーダーする限り、好きな長さで、好きなフレット数、好きな弦間隔が頼めます。
ものすごく高価ですがフォデラ程ではなく、使用する木材は世界のトップ(匹敵するのはケンスミスだけではないかと思います)であり、望む物を生み出すという観点からは、唯一無二の存在と思っています。

音が好きかどうか、というのも、むろん大切な評価軸ですが、ベースらしい豊かな響きはきちんと備えており、決して電気の力に頼った音造りではありません。
オリジナルのPUは優れて素直な特性で、パッシブで使ったり、意味はありませんが他社製のプリアンプを繋いだりした経験もありますが、決して奇特な物ではありません。

シングルコイルの音をノイズレスで出したい、という単純な理想のために、大がかりな外部電源やダミーコイルを用いる”システム”サーキットも出音はピュアそのものであり、フィルターでクセを付けられる点ばかり強調され、個性の塊みたいに認識される傾向があるのは残念なことです。

アレンビック社の楽器は、その成り立ちから、ヒッピー思想やアート志向、そしてファミリービジネスというバックグラウンドが製品に色濃く表れており、好事家の嗜好対象に過ぎないと見られがちですが、プレイヤー思いのごく真っ当な楽器だと断言します。

元々、ベースギター、エレキギターの音域を下げたもの、として設計されている点、ボディが小さくローポジションが遠いなどの操作性の悪さを引きずっていますが、ボディデザインを決めるのも顧客の自由なのですから、むしろ既存の楽器が到達しないベストバランスを追求するのにもうってつけのブランドであり、わたしにとっての正味100本目だった楽器が、完璧にこれを達成しました。
いずれご紹介したいと思います。

チラシが届きました2016年06月02日 21時56分06秒

0630flyer
今月末のKAMOMEでのライブですが、前日6/29は友人の佐藤広理さん(sax)のリーダーライブという偶然でした。
というわけでドラムの飯島さん、ギターの藤枝さんが2daysとなりますので、是非ともよろしくお願いいたします!

リスト更新2016年06月02日 13時21分09秒

オークションに出ていたバルトリーニの4弦ベース用ハムバッカーに目が止まった時、それを付けていたベースを持っていたような気がして、過去に所有したベースのリストを見直したところ、1本のフレットレスベースが漏れていたことに気付きました。
さらに眺めていると、初めて手に入れた(友人にいただいた)Wベースも載せていないことがわかり、各ブランド毎の本数と総数を数え直すと、なんとすでにぴったり100本ということになっていました。
ばかばかしい話ですが、98本という認識でしたので、きりの良いあと2本を最後にしようなどと考えておりますが、その論で行けばすでに打ち止めに達していたということです。
これによって今抱えている案件が影響を受けるとは考えませんが、今春に集大成的な2本が非常な感銘を与えた事実を、さらに重たく受け止めているのは否定できません。
ベースプレイヤーを職業にできたのは20台後半と、遅いスタートでしたが、練習で感じる不満を解消すべく思い立つアイディアをことごとく形にして、それを常に現場で検証して四半世紀ですから、1ユーザーとしての達成感は大きなものです。
そして最終章へ突入か、と大袈裟に思い描くステップだったのですが、それは逆に新章の始まりを告げるものかと勘ぐる啓示でした。

今回は、ただ端からカウントするのでなく、ブランド毎の集計をとって合計してみたので、前回の98本にも間違いはなかったのですが、どこの楽器を実際に多く使ったのかは一目瞭然で、これを紹介してみることにしましょう。

ベスト10の下位から発表します。
4本所有したことのあるブランドは4つあり、フェンダーUSA、フリーダムカスタムギターリサーチ、クノーレンギターズ、ヤマハとなりました。
フェンダー以外は、いまも1本ずつ手元にあります。
フェンダーUSAはカスタムショップとジャパン以外という分け方で、メイドインメキシコは使ったことがありませんが、このカテゴリーに入れます。
というわけで現行品を1本、これもよそさまにいただいたものでしたが、それ以外の3本はビンテージのプリCBSのPB,JB,そして70年代のJBという内訳になります。
カスタムショップ、ジャパンも加えてフェンダーのシールが貼ってある楽器を総合すると8本になります。
やはりベースといえばフェンダーなのですね。
これらブランドはランキングとしては7位ということになります。

5本所有したことのあるブランドは2つあり、ランキングとしては5位となりますが、マイケルトバイアスデザインとアレバコッポロとなります。
トバイアスブランドはお借りして使ったことはありますが、所有者となったことはなく、ここではMTDに限定します。
しかし初めてのMTDは韓国製のKingstonでしたので、手造りのUSAは4本で、うち3本はオーダーしました。
オーダーしたものはいずれも特注の534で、フレット数も22でお願いしたこともあります。
2000年代前半から、欲しい楽器の形はすでに答えが出ており、弾き心地の追求とともに、鳴らしたい音の実現のために手を尽くしました。
どのビルダーが、自分と音色の好みが似ているか、どの素材が近道となるか、そのための投資の時代でした。
こと、音という面で、ここに挙がるコッポロは本当に好きでした。
彼のショップ、西海岸に移転する前のNY時代ですが、には数度通いましたがジミーはF-bassやElrickを扱っており、自分の製作した楽器を薦めることはしませんでした。
その店にはすでにアレバコッポロブランドの在庫が壁に掛かっておりましたが、私も興味を抱くことなく、マス・日野さんつながりでか、アトリエZも置いてあり、むしろそちらが目を惹きました。
私には買う余裕がなかったのですが、彼の店を訪れて何度も弾かせて頂いたのはF-bassの5弦フレットレスでした(ACモデルではない)。
高額な買い物をして滞在期間を短縮させてしまうのか、それとも出会いを信じて賭に出るのか、迷った挙げ句購入を見送りましたが、その決断には間違いはありませんでした。
ただ、あのときの感興が、帰国後に待っているカスタムベース探求への旅路の発端だったとは思います。
むしろ、それよりも少し安かったアレバコッポロを2001年の時点で弾いていなかったことが悔やまれます。

4位は6本所有したケンスミスでした。
1984年だったでしょうか、リットーミュージックのベースマガジンが季刊誌として創刊された頃、フォデラ、Walなどと共に新興ブランドとして商品が渡来した最初のロットではないかと思いますが、新宿のKEY楽器店で試奏しています。
そのときから、あの特異なサウンドには魅了されています。
当時弾いたものはダブテイルジョイントでボディ材はマホガニーをウォルナットでサンドイッチしたものだったと記憶しています。
フォデラが扱いやすいトーンで、Walはエレクトリカル、それに対してWベースのような、コーンと突き抜ける響きと甘さを持っていて、初めて聞く音でした。
その後日本で作られるなどの変遷もありましたが、正式に国内へ供給されるようになった2000年代以降、わたしにとっては、どこかファーストプライオリティのブランドでもありました。

そして、なんということか、こんな記事を書いていると、もう1本脳裏をよぎる個体がありました。
漏れを発見。
本日リストに3本追加で、履歴が101本になってしまいました!
膝の力が抜けましたので、続きは後日にします。

絞り込み2016年05月29日 23時45分44秒

機能面と音についての最大限のリクエストと、美観に関わる最小限の我が儘で、今後使うべきメインの楽器を想定し、仕様を考え(いや考えなくてもすらすら言える)、それを通常の予算を立てずに、ある意味価格度外視なブランド、いや信頼に足るというこれまでの関わりで保証済みと言えるところへ注文を出すに当たって、やはり今委託に出している楽器に加えて3本を追加してとんとんだということがわかっています。

もう年齢も行っているので、この後どれだけきちんとした仕事ができるか分からない思いを伴いつつ、もう本当に使用楽器の面ではゴールへ辿り着くべき時ではないかと考えます。

なのでバリエイションを備えておくより、日々を喜びに満たされる少数精鋭で活動すべきと思います。
でも手放すものの中の、あれとあれは惜しいのです。

しかし、それらに教えられて、理想像が具体的になったとも言え、そこへ突っ走らなければここまでの遍歴も泣くというものです。

道楽は極めてこそ、なのかな。
仕事の道具ではありますが。
想定通りだと最終的に9本が残ります。
フレッテッドが4弦2本(20フレットと24フレット)、5弦3本(うち新規が2本)、6弦1本(ハイF)。フレットレスが5弦1本。
アコースティックベースが5弦1本(ハイC)、Wベース1本。
充分多いな。
でPB枠はあきらめます。

あ、でも5弦がほぼ総入れ替え、ただし1本残すかわりに4弦を1本出す。
出て行くもの等は2本の新規で、音質的には賄えるという計算の元で。
書いていて思うけれど、くだらない話ですね…

迷っています2016年05月28日 14時27分03秒

今ある演奏機会のうち80%はビッグバンド(あるいはオーケストラ)の一員として、椅子に腰掛けて、目の前に置かれる楽譜を忠実に弾くというもので、これは少々世間一般のエレキベース奏者のスタイルとは異なるような気がします。
座って弾くことに馴れているため、当然のごとく立って演奏するライブなどでも、支障がなければスツールなど用意して座りたいと思っています。
普段の練習も座って行いますので、足の上に乗せた状態で、自分の演奏する楽器に、自信を持って対峙することができます。

むろん立って弾く場合にこそ重要な問題ではありますが、重量のために下がってしまうネックを運指に使う左手で支えながら弾く、ということが何よりも嫌いです。
わたしは、足の上に置いたときに、両手とも離して、楽器が置かれたままの状態を保つ重量バランスに作られている楽器こそが必要だと、常々思っていました。
右腕をボディに掛けて固定する、というのも行いたいピチカートの動作に悪い影響がある(と確信しておりますが…)ので除外します。
立って弾くときには、ストラップのピンがどの位置にあるかも重要で、それは座って弾く時に無視できないポイントでもあります。

そうすると、例えば、フェンダー社が正規に送り出してきた楽器類は、ほぼ全部気に入りません。
ただし、うまくすると良好な部類に転じます。
ヘッドに取り付けられている重量物である糸巻きを社外品のできるだけ軽量なものへ付け替えるということを行います。
音が悪くなる、という多くのインプレッションを見ることができ、事実わたしもそれを思わされる事例に当たりました。
しかし、弾く気が起きないよりもましであり、長時間弾き続けて腕などに痛みを生じさせられるのもごめんです。
魅力的な音質が、弾き心地の悪さを妥協せしめるとは、わたしのこれまでの楽器履歴を見れば一目瞭然ですが、あり得なかったのです。
フェンダー型でもGotoh GB640や、Hipshot HB6などを使用して、なおかつ音質への不満を生じさせないもの、というのが近年探していた楽器であり、今手元にあって甲乙付けがたいアルダーとアッシュの2本のジャズベース・コピーモデルがそれにあたります。

さて、ビッグバンド系の仕事を長年続けていて、腰痛やら手首痛やら肘痛を職業病として煩ってきました中で、多弦ベースについてはいくつかの考え方の変遷があります。
アレンジャーは4弦のベースでアレンジを書いてはくれますが、ここぞでより低い音を鳴らしたい、あるいはその音をローB弦で弾いてしまえば著しく運指が楽になる、などの理由から、5弦ベースをメインにしたいと思うことが多々あります。
いつも呼んでくださるアレンジャーから、あなたのベースは下に音域が広がっているのですね、と確認され、ローB前提のアレンジを書かれる方もいらっしゃいます。

わたしにとって初めての多弦は90年代で、34インチ/24フレット/弦間19mmの5弦ベースでした。
次に35インチ/24フレット/弦間18mmの6弦ベースを入手し、せっせと練習をしていると、その後持病と化す左手首痛が初めて生じました。
一旦4弦ベースへ戻り、数年経って34インチ/24フレット/弦間18mmの5弦ベースを購入し、その後34インチ/21フレット/弦間19mmのフェンダー型5弦ベースに落ち着きます。
ほどなくして、常態化する左手首痛がしんどくなり、ミディアムスケールを模索し始めます。
33インチ/22フレット/弦間19mmという5弦ベースで、これは現在でも時々使用しており、この先も手放すことはないと思っています。

33インチという、若干短縮されたスケールの楽器に味を占め、多くの楽器を積極的に手放して、完全移行を目指します。
ところが4弦で製作してもらったミディアムスケールの楽器は、どうしても使う気になれないものでした。
その後色々試行錯誤をして、4弦は4段落前に述べました2本のJBへと行き着きました。

近年、スティーブ・スワロー氏のシグネチャーモデルを若干モディファイした35インチ/24フレット/弦間17mmというアコースティックベースを使い始め、また足かけ6年の製作期間を経た33.25インチ/22フレット/弦間17.5mmというフルオーダーのハイーF6弦ベースができあがってきたのを弾いた上で、幅の狭いネックが楽であると結論づけることができました。

巷間言われる、弦間が狭いとスラップのプルで指が入りにくいとか、かつての自分が思っていたのは、十分なピチカートの振り抜きができないだとか、デメリットのいくつかはどういうわけか、今は気にならなくなっていました。
それどころか、快適さをあらためて感ずることとなり、多弦はネック幅を確保してスケールを短縮する、という方向から、スケールは4弦と同じでネック幅を狭くする、という方向へ方針を変えることとなりました。

以前のエントリーでも書きましたが、ハイパーテクニカル系のニュージェネレーション・ベースプレイヤーには、ミディアムスケール+狭い弦間、そして多フレットという組み合わせが求められるマーケット事情があり、フェンダー型に近い、オーセンティックなベーシストに受けるプロファイル(少ないフレット)であって狭い弦間、という組み合わせが既製品になく、ではどこへ製作を依頼しようか思案中であるというところまでお話ししました。

この時点でいくつか候補があり、若干のデメリットを含むために決めきれないでおりましたが、具体例を挙げて紹介しましょう。

Moonカスタムオーダー クロサワ楽器店の特別オーダー品がとても良く、これを元にアッシュボディ、そしてさらに狭いネック/弦間を実現する依頼が可能かどうか 22フレットは無理そう?(20又は21か)
Pedulla ボルトオンのシリーズでは16.5mm/22フレットで申し分なし ナットでのネック幅が太いので45mmで作れないか、その可否
Sadowsky Will Leeなら22フレット&ナローネック 18mmブリッジでのオーダーが可能 フルサイズボディで作れるか?
F-bass やりたいことは全てオーダーで可能 ただし高額
Alembic 上に同じ

ムーン、ペデュラ、サドウスキーに関しては、具体的な相談は行っておりませんが、そうこうするうちに進捗があり、F-bassとAlembicからは概算見積もりの回答が来ました。
予算をオーバーしていることは事実ですが、十分検討の価値はありそうです。
そして、そのためにまだいくらか手放して良い楽器があるのかも、慎重に考えます。
というわけで、この件は動きがありましたら報告いたします。