あと2本?2016年05月27日 22時09分19秒

2016年春の段階で、これまでに購入したベースは、アコースティック=いわゆるWベースも含めてですが、全部で98本を数えます。
いらないからあげると言われて譲り受けた低価格なジャンク品も含めてではありますが。
その、とても仕事には持って行けないようなベストではないものも含めるとですが、手元には8本が残っており、委託販売で店舗に預けてあるものを入れて10本を所有しているということになります。
通り過ぎていった88本は、必ずしも不要だから売却、譲渡したわけではなく、新しく必要と感じた楽器の購入資金を捻出するために出て行ったケースが少なくありません。
したがって、もしも縁があればもう一度手に入れたいと心から思う、素晴らしい楽器が何本もあります。

生涯で100本もベースを買った男、と呼ばれるにはあと2本手に入れる必要がありますが、本音ではあとそれだけで、その後の人生を満足に送れるラインナップを所有できるかは甚だ疑問ではあります。
実際いま、5弦枠、PB枠と勝手に呼んでおりますが、これまでの経験を踏まえて浮かび上がる、言わば自身にとっての最終形とも言える5弦ベースの姿を形にしたい、さらに伝統的なPBのトーンを備えた4弦のベースが欲しいと思っています。
ターゲットが絞れても、実際それを現場で使ってみるまでは当たりだったかどうかわかりません。
ですのであと2本で終われるかどうか自信がありません。

後者の話からします。
良質のPBのトーンはフェンダーでしか得られないであるとか、究極的にはビンテージに行くしかないとか、真理と思える教訓を肌身に感じては来ましたが、どうしても、あの幅広い指板が、仕事の長丁場で使うのに容認できません。
ネックのローポジションでの弦間隔が広すぎて、左指が弦移動する距離が遠すぎます。
歳を取るにつれ、この問題はあからさまになっており、後述する5弦ベースにおいてもナローネックが望まれているのと同根の問題であります。
JBの38mmとまでいかなくても40mm程度であって欲しいです。
ナローネックで、良い音楽の記憶とともに残る往年のPBトーンが得られると嬉しいです。
指板は、むしろ貼りメイプル、ボディはアルダーかなと思います。
巻数の少なめな明るめのPUが付いていて、それでもなおローが朗々と鳴る楽器が理想です。
とあるUSA製非フェンダーのメーカーで、PBボディにJBネックを取り付けましたというコンセプトモデルの中古を弾きましたが、こんな感じでいいやと思いました。
価格が、予算より10万円程度オーバーしており、すっと買うことはできませんでしたが。
オーダーするとしたらテレキャスター用の裏通しブリッジでスイベル・サドルの付いたWilkinson by Gotohを取り付けたいのですが、このパーツが既にどこからも入手できなくなっており、それさえ手に入れば、先日わたしの理想とするJBを予想以上の素晴らしさで製作してくれたあの工房へ頼もうと思っております。
現状は、このディスコンパーツの入手にかかっています。

さて、前者、となりますがナローネックの5弦ベースです。
フェンダー型の非24フレット(21や20、22フレットなどの)ベース、一般にJBの亜種として製作される楽器のメインユーザーはスラップをやりたくてこの形態を選んでいるために弦間を4弦のベースと同じく19mm(20mmという5弦はさすがに無い)という仕様を支持しています。
弦間せまめ、18mmから16mm程度まで多種存在するが、の楽器を選ぶ層はハイパーテクニックを駆使したいニュージェネレーションである場合が多く、ハイポジションのレンジを拡大した24フレット以上の楽器でないとお話にならないと思っています。
ベーシストは、しかしこれら二派に分類されるわけではなく、トラディショナルなプレイに終始しようと、弦間せまめ=ネック幅細めの多弦ベースを心地よく感じる層もいるはずなのです。
しかしこれに対応する楽器が、ほぼ皆無です。

わたしの今欲しい5弦ベースのスペックは、ローBで34インチ、ナット幅45mm程度、ブリッジでの弦間17.5mm、フレット数22というものです。
加えて、スワンプアッシュボディ、メイプルネック、ローズ指板(インディアンローズは好きではありませんのでそれ以外、マダガスカルやココボロなど)、60年代と同じ位置にシングルコイルPUを二つ載せたパッシブ回路、アウトプットジャックはボディトップに、というものです。
特別に作ってもらう以外、市販品では絶対にありません。
マーケティング的に、NGのようです。
しかし、わたしは需要が皆無とは思えないのです。
あ、短命ではありましたが、フェンダージャパンがJBVとして一時期製造、販売していたモデルが非常に近いです。
アルダーボディで、しかも重いものばかりでしたが。

このスペックの楽器には、入手困難なパーツは、とりあえずありません。
ヒップショット・ブリッジはBスタイルが音の点で好みではありますが、Aスタイルで裏通しのできる17.5mmピッチのアルミブリッジを用意しています。
ペグもヒップショットのウルトラライトで結構です。
PUはノードストランドが、指板のRと弦数、弦間を伝えると、それに最適化したモデルを1コ単位で製作してくれます。
アルニコ3のシングルタイプで、わたしは満足です。

実は、長年の楽器歴で、個人的にこだわりたくなってしまったアイテムは、フェンダー型のフラットヘッドに不可欠なテンションピン(テンションバー)なのですが、これを尋常ならざる嫌悪感で見ています。
できれば金輪際付けたくありません。
ナットから糸巻きまでの間に弦を曲げるアイテムが追加されるなど、許し難き製作の手抜きと思っています。
これを回避してナットからの適切なテンションを与えるには、ヘッドに角度を与えるしかありません。
フェンダー型の楽器でも、このようなアングルド・ヘッド(スロープ・ヘッドという方もいました)を、今後一生使い続ける楽器として手に入れるのであれば、どうしてもやって欲しいと思っています。

PBの場合も然りですが、だから、既製品には一切無くて、今は作ってくれる方を探しているのです(いやF-bassのジョージ・ファーラネットはやってくれそうです。ただし当然ながら高額なアップチャージを請求されます)。
項目のどれか一つを妥協するだけで可能性は俄然広がるんですがね。

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