ライブ音源2016年07月09日 14時13分34秒

バーズアイメイプル指板であることがわかります
6/30のライブを客席からICレコーダーで録音したmp.3のデータを頂き、振り返ってみました。
音楽的な話はここでは行いませんが、予定外に突然入手してほぼぶっつけで試した新しい6弦ベースの音がどのように届けられていたのか確かめる貴重な資料となりました。

アンプはいつものMarkbass Momark(EQをスルーしたシンプルなセットです)をヘッドに、Epifaniの15” 2wayにAccuGrooveの12” 3wayを積み上げて使用しました。
普段はMarkbassの2x12”で仕事していますが、音の良いライブハウスへの出演ですので、私の考えるフルレンジ再生にもっとも近づけるスピーカーシステムで臨みます。
ちなみにアンプ裏からXLRでPAに取っていますからライン音も外へは多少出ているようです。

足元にはHumback Enginneringの3バンドEQ/プリアンプ、Shin’sのパーフェクトボリュームペダルを通ってアンプ・インです。

このベースの音は、アッシュボディ、メイプル指板という組み合わせで想起される70s JBとは大分異なっていて、その原因は2ハムのPUだったり6弦用のネック幅とシングルカットのボディデザイン(ではありますがネックはボディの延長部と接続されていません)によるものであると同時に、ネック材がアッシュであることも大きく作用しているように感じます。

アッシュネックと言えばFoderaでそのアイディアを知りましたが、ラテンジャズの分野でも名高いLincoln Goinesのシグネチャーモデルでの採用が、一般的になる始まりだった気がします。
Foderaは他材を加えて5ピース程でリジットに組みますが、より素材の音を表現する構造である1ピースネックを採用するMTDでもメジャーなオプションとして、個人的には数々の個体を試奏することができました。
そしてその印象はいずれも良いものでした。

比較のしやすいMTDでの印象を言えば、耳に馴染んでいるメイプルをニュートラルとするならば、アッシュネックの楽器はレンジ感としてはトップが自然にロールオフした音の丸みと、ローに力強さのある重心の低さを備え、どことなくアコースティック感も含んだ太いベースラインを表現します。
MTDの、ハイファイの極みみたいなバルトリーニセットによるものか、材の違いは非常にわかりやすい上、多少鼻づまりな材を使ったとしても抜けなくて困ることのない(むろん良材の使用、優れた設計、作り込みの入念さが元にあるのは間違いありませんが)基本性能故に、アッシュネックにネガは見られません。
試した数は遙かに少ないですがFoderaにおいても、一般に私の印象としては固い音のブランドである故、暗い音である印象はありません。

ところがこのBrubakerは、ウォルナット系のそれとは違いますが、結構ダークでした。
低域に行くに従い、弾力感のある鳴り方が、このベースをつまらないものに陥れることはありません。
太さ、暖かみとも充分で、音の立ち上がりも早いです。

一方でD線、G線、C線と高まるにつれ鳴りの元気が失われます。
例えばスラップのプルが、音質的には気持ちよくても、ボリュームが不足してパンチが出ません。
全音域を通じてスムースであり、統一した印象を持ちますが、上に行く程細くなっていくのが残念なのです。
なんとなく、そこにアッシュネック材の性格を思い出さずにいられません。

しかしながら、生まれて間もない楽器であろう事から、今後の鳴らし込みによる好ましい変化を期待しましょう。

同時に、エレクトロニクスについては検討を始めてみたいと思います。
PUバランサーにACポットが使われていて、センターで音量が落ちていますので、まずはここら辺から手を付けてパンチ不足の解消へ向かいます。

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