ライブ音源 ― 2016年07月09日 14時13分34秒
6/30のライブを客席からICレコーダーで録音したmp.3のデータを頂き、振り返ってみました。
音楽的な話はここでは行いませんが、予定外に突然入手してほぼぶっつけで試した新しい6弦ベースの音がどのように届けられていたのか確かめる貴重な資料となりました。
アンプはいつものMarkbass Momark(EQをスルーしたシンプルなセットです)をヘッドに、Epifaniの15” 2wayにAccuGrooveの12” 3wayを積み上げて使用しました。
普段はMarkbassの2x12”で仕事していますが、音の良いライブハウスへの出演ですので、私の考えるフルレンジ再生にもっとも近づけるスピーカーシステムで臨みます。
ちなみにアンプ裏からXLRでPAに取っていますからライン音も外へは多少出ているようです。
足元にはHumback Enginneringの3バンドEQ/プリアンプ、Shin’sのパーフェクトボリュームペダルを通ってアンプ・インです。
このベースの音は、アッシュボディ、メイプル指板という組み合わせで想起される70s JBとは大分異なっていて、その原因は2ハムのPUだったり6弦用のネック幅とシングルカットのボディデザイン(ではありますがネックはボディの延長部と接続されていません)によるものであると同時に、ネック材がアッシュであることも大きく作用しているように感じます。
アッシュネックと言えばFoderaでそのアイディアを知りましたが、ラテンジャズの分野でも名高いLincoln Goinesのシグネチャーモデルでの採用が、一般的になる始まりだった気がします。
Foderaは他材を加えて5ピース程でリジットに組みますが、より素材の音を表現する構造である1ピースネックを採用するMTDでもメジャーなオプションとして、個人的には数々の個体を試奏することができました。
そしてその印象はいずれも良いものでした。
比較のしやすいMTDでの印象を言えば、耳に馴染んでいるメイプルをニュートラルとするならば、アッシュネックの楽器はレンジ感としてはトップが自然にロールオフした音の丸みと、ローに力強さのある重心の低さを備え、どことなくアコースティック感も含んだ太いベースラインを表現します。
MTDの、ハイファイの極みみたいなバルトリーニセットによるものか、材の違いは非常にわかりやすい上、多少鼻づまりな材を使ったとしても抜けなくて困ることのない(むろん良材の使用、優れた設計、作り込みの入念さが元にあるのは間違いありませんが)基本性能故に、アッシュネックにネガは見られません。
試した数は遙かに少ないですがFoderaにおいても、一般に私の印象としては固い音のブランドである故、暗い音である印象はありません。
ところがこのBrubakerは、ウォルナット系のそれとは違いますが、結構ダークでした。
低域に行くに従い、弾力感のある鳴り方が、このベースをつまらないものに陥れることはありません。
太さ、暖かみとも充分で、音の立ち上がりも早いです。
一方でD線、G線、C線と高まるにつれ鳴りの元気が失われます。
例えばスラップのプルが、音質的には気持ちよくても、ボリュームが不足してパンチが出ません。
全音域を通じてスムースであり、統一した印象を持ちますが、上に行く程細くなっていくのが残念なのです。
なんとなく、そこにアッシュネック材の性格を思い出さずにいられません。
しかしながら、生まれて間もない楽器であろう事から、今後の鳴らし込みによる好ましい変化を期待しましょう。
同時に、エレクトロニクスについては検討を始めてみたいと思います。
PUバランサーにACポットが使われていて、センターで音量が落ちていますので、まずはここら辺から手を付けてパンチ不足の解消へ向かいます。
音楽的な話はここでは行いませんが、予定外に突然入手してほぼぶっつけで試した新しい6弦ベースの音がどのように届けられていたのか確かめる貴重な資料となりました。
アンプはいつものMarkbass Momark(EQをスルーしたシンプルなセットです)をヘッドに、Epifaniの15” 2wayにAccuGrooveの12” 3wayを積み上げて使用しました。
普段はMarkbassの2x12”で仕事していますが、音の良いライブハウスへの出演ですので、私の考えるフルレンジ再生にもっとも近づけるスピーカーシステムで臨みます。
ちなみにアンプ裏からXLRでPAに取っていますからライン音も外へは多少出ているようです。
足元にはHumback Enginneringの3バンドEQ/プリアンプ、Shin’sのパーフェクトボリュームペダルを通ってアンプ・インです。
このベースの音は、アッシュボディ、メイプル指板という組み合わせで想起される70s JBとは大分異なっていて、その原因は2ハムのPUだったり6弦用のネック幅とシングルカットのボディデザイン(ではありますがネックはボディの延長部と接続されていません)によるものであると同時に、ネック材がアッシュであることも大きく作用しているように感じます。
アッシュネックと言えばFoderaでそのアイディアを知りましたが、ラテンジャズの分野でも名高いLincoln Goinesのシグネチャーモデルでの採用が、一般的になる始まりだった気がします。
Foderaは他材を加えて5ピース程でリジットに組みますが、より素材の音を表現する構造である1ピースネックを採用するMTDでもメジャーなオプションとして、個人的には数々の個体を試奏することができました。
そしてその印象はいずれも良いものでした。
比較のしやすいMTDでの印象を言えば、耳に馴染んでいるメイプルをニュートラルとするならば、アッシュネックの楽器はレンジ感としてはトップが自然にロールオフした音の丸みと、ローに力強さのある重心の低さを備え、どことなくアコースティック感も含んだ太いベースラインを表現します。
MTDの、ハイファイの極みみたいなバルトリーニセットによるものか、材の違いは非常にわかりやすい上、多少鼻づまりな材を使ったとしても抜けなくて困ることのない(むろん良材の使用、優れた設計、作り込みの入念さが元にあるのは間違いありませんが)基本性能故に、アッシュネックにネガは見られません。
試した数は遙かに少ないですがFoderaにおいても、一般に私の印象としては固い音のブランドである故、暗い音である印象はありません。
ところがこのBrubakerは、ウォルナット系のそれとは違いますが、結構ダークでした。
低域に行くに従い、弾力感のある鳴り方が、このベースをつまらないものに陥れることはありません。
太さ、暖かみとも充分で、音の立ち上がりも早いです。
一方でD線、G線、C線と高まるにつれ鳴りの元気が失われます。
例えばスラップのプルが、音質的には気持ちよくても、ボリュームが不足してパンチが出ません。
全音域を通じてスムースであり、統一した印象を持ちますが、上に行く程細くなっていくのが残念なのです。
なんとなく、そこにアッシュネック材の性格を思い出さずにいられません。
しかしながら、生まれて間もない楽器であろう事から、今後の鳴らし込みによる好ましい変化を期待しましょう。
同時に、エレクトロニクスについては検討を始めてみたいと思います。
PUバランサーにACポットが使われていて、センターで音量が落ちていますので、まずはここら辺から手を付けてパンチ不足の解消へ向かいます。
小っちゃい写真 ― 2016年07月07日 13時59分49秒
共演の石毛さんがブログに貼ってくれている画像がBrubakerの弾き姿をよく顕しておりましたのでこちらでも。
ただ画像がちっちゃいです 笑
このようにネックが立ってくれるのが非常にありがたいです。
ただ画像がちっちゃいです 笑
このようにネックが立ってくれるのが非常にありがたいです。
Brubaker③ ― 2016年07月06日 01時14分34秒
Brubaker ② ― 2016年07月05日 22時28分16秒
私が手に入れたKXB-6は新品でしたが、特価品扱いで中古並みとは言えませんが、まずまずの値引きがありました。
楽器店がwebにアップする前でしたので、その経緯などについては明かされておりませんが、それなりに謎めいております。
KevinはInstagramをやっており、製作途上の写真も多くアップしておりますので、この楽器の製作過程を見られないかと辿っていきますとそっくりな個体に出会います。
何しろ、付属するマッチングカラーのフィンガーランプが特異な形状をしており、インスタのキャプションではユーザーの指定によるものと書かれており、日本へ出荷されるとあります。
ただし、同一のフィニッシュであることを含め仕様上は限りなく似ているものの、これと同個体ではありません。
まずトップ材のバールメイプルの木目は異なります。
ボディトップには独立したミニスイッチが2個ありますが、私のには1個だけです(おそらく1個分はスイッチ付きポットに変更されているだけで機能は同じではないかと想像します)。
画像の指板にはヘ音記号のインレイがありますが、私のにはドットのポジションマークのみで、サイドポジションにルミンレイが使用されているように見受けられるものの、私のは貝です。
というように非常に似通った2本のベースが国内に入ってきていたという興味深い事実が伺われます。
分かる範囲で、私の楽器の仕様を列記すると、アッシュボディ、バールメイプルトップ、2ピースアッシュネック、バーズアイメイプル指板(ブラックに塗装されている)、グロスフィニッシュ、バルトリーニPU&サーキット。
PUはダブルコイルで、3ポジションのミニスイッチでプリセットされたコイル選択が可能です。
Wハム/フロントシングル・リアハム/Wシングルの組み合わせです。
Brubakerは元々Bartoliniのクワッドコイルが標準で、このようにシングルを選んでもスプリットコイルのハムキャンセルになっているはずですが、当機はハムが出るのでクワッドではないようです。
真ん中の組み合わせはラインがクリアに出て好きなのですが環境によっては使えないのが残念です。
楽器単体ではWシングル(ハムキャンセルされます)もなかなか良い音ですが、シングルとして設計されるJB用などに較べて線が細く、バンドでは負けがちで私は使いません。
個人的な印象でしかありませんが、バルトリーニPUとアギュラープリアンプの組み合わせが良かったことがあり、両バルトリーニの本機のPUかサーキットのどちらかを別メーカーに交換してみたいと考えています。
ちなみに、Humpback Engineeringの楽器搭載用のプリアンプをストンプボックス化した製品を持っており、この楽器のパッシブ出力を受けて音出しすると、内蔵バルトリーニよりも解像度が確実にアップします。
一般にEQをブーストした時の、嘘っぽい音の太さや強調されすぎる輪廓が好きではないため、本機もアウトボードもブーストには使いませんが、よりプッシュしたい時には楽器内蔵のプリアンプもアクティブにして、プリアンプ直列駆動にすることもあります。
音は、多少古いですが仕様の似通ったこちらの動画が近いです。
https://www.youtube.com/watch?v=xGLDRjyVhC4
楽器店がwebにアップする前でしたので、その経緯などについては明かされておりませんが、それなりに謎めいております。
KevinはInstagramをやっており、製作途上の写真も多くアップしておりますので、この楽器の製作過程を見られないかと辿っていきますとそっくりな個体に出会います。
何しろ、付属するマッチングカラーのフィンガーランプが特異な形状をしており、インスタのキャプションではユーザーの指定によるものと書かれており、日本へ出荷されるとあります。
ただし、同一のフィニッシュであることを含め仕様上は限りなく似ているものの、これと同個体ではありません。
まずトップ材のバールメイプルの木目は異なります。
ボディトップには独立したミニスイッチが2個ありますが、私のには1個だけです(おそらく1個分はスイッチ付きポットに変更されているだけで機能は同じではないかと想像します)。
画像の指板にはヘ音記号のインレイがありますが、私のにはドットのポジションマークのみで、サイドポジションにルミンレイが使用されているように見受けられるものの、私のは貝です。
というように非常に似通った2本のベースが国内に入ってきていたという興味深い事実が伺われます。
分かる範囲で、私の楽器の仕様を列記すると、アッシュボディ、バールメイプルトップ、2ピースアッシュネック、バーズアイメイプル指板(ブラックに塗装されている)、グロスフィニッシュ、バルトリーニPU&サーキット。
PUはダブルコイルで、3ポジションのミニスイッチでプリセットされたコイル選択が可能です。
Wハム/フロントシングル・リアハム/Wシングルの組み合わせです。
Brubakerは元々Bartoliniのクワッドコイルが標準で、このようにシングルを選んでもスプリットコイルのハムキャンセルになっているはずですが、当機はハムが出るのでクワッドではないようです。
真ん中の組み合わせはラインがクリアに出て好きなのですが環境によっては使えないのが残念です。
楽器単体ではWシングル(ハムキャンセルされます)もなかなか良い音ですが、シングルとして設計されるJB用などに較べて線が細く、バンドでは負けがちで私は使いません。
個人的な印象でしかありませんが、バルトリーニPUとアギュラープリアンプの組み合わせが良かったことがあり、両バルトリーニの本機のPUかサーキットのどちらかを別メーカーに交換してみたいと考えています。
ちなみに、Humpback Engineeringの楽器搭載用のプリアンプをストンプボックス化した製品を持っており、この楽器のパッシブ出力を受けて音出しすると、内蔵バルトリーニよりも解像度が確実にアップします。
一般にEQをブーストした時の、嘘っぽい音の太さや強調されすぎる輪廓が好きではないため、本機もアウトボードもブーストには使いませんが、よりプッシュしたい時には楽器内蔵のプリアンプもアクティブにして、プリアンプ直列駆動にすることもあります。
音は、多少古いですが仕様の似通ったこちらの動画が近いです。
https://www.youtube.com/watch?v=xGLDRjyVhC4
Brubaker ― 2016年07月04日 01時58分53秒
新しい楽器を買いました。
102本目だったかもしれません、ベースの。
先日お譲りしたFのVFですが、それによる資金を投入し、また某所で委託販売中だったBNが下取りとして旅立ちました。
2本手放し、1本獲得、ということになります。
本来、資金集めに幾本かの放流を決めたのは、新しい5弦ベースを入手するためで、それはおそらくはオーダーでしか存在し得ないだろうスペックだったために思い切るしかなかった次第。
その内容についてはここしばらく少しずつ触れておりましたが、電撃婚となった今回のお相手は、予期せぬ邂逅だったのです。
関内KAMOMEでのライブを二日後に控えた火曜日、当初使用予定だった4弦のKnoorenに新規の弦を試してみたいと都内某所で物色をしていて、なんとなしに目に入ったベースがそれでした。
ベースを選びに来たわけではなく、先述の通り、希望通りの仕様で作られたベースがそうそうないことを承知していたので、むしろそのことを確認すべく店内在庫の一通りをスキミングしていました。
へぇ、珍しいなと思ったのですが、やがて別件で他店へ赴き、そちらでも同様に新入荷の確認などしておりましたところ6弦が新着しており、薦められて試したところ好印象でした。
やがてはたと、先般の光景が脳裏をよぎり、あれもたしか6弦だったなと思い立って舞い戻り、慎重な試奏を経て決めてしまいました。
出会ったその日のお持ち帰りです。
タイトル通り、ものはBrubakerで、KXBというシングルカットデザインのボディを持つ、中でも装飾に力の入ったExtremeレンジの一品でした。
新しい5弦ベースではナローネック、弦間17.5mm@ブリッジ、22フレットを譲れないポイントとしており、その理由は左手の疲労軽減が主なものでした。
しかし、ただでさえワイドな6弦ベースであり、弦間19mmピッチ、24フレット、そしてスケール34 5/8インチ(Fの34.5よりも更に長い)という、真逆の方向性へ走ってしまいました。
我が家に、実は6弦ベースはあります。
記憶が確かであるならば生涯100本目のアニバーサリーとなる、長きにわたる製作期間を経て完成した実験的要素満載のHi-F仕様の特殊機です。
これは、実はまだ弾きこなせていないし、迎えるライブに相応しい武器でもなかった。
けれど、4弦で臨むのは、心の奥の方でコンサバ過ぎるのでは、と警鐘が鳴っておりました。
結局のところ、このbrubakerが、その日演奏する音楽に与えうるテクスチャーを妄想してしまったのが、衝動的に新規5弦ベースを実現する機会を放棄してしまった(延期ですがね)唯一の理由です。
むろん、出会っていなければ、こんなことにはなっておりません。
火曜の夜に持ち帰り、水曜の朝からリハーサルで使い、木曜日のライブ本番、翌日の仕事、翌々日の旅の共、その翌日も某バンド結成10周年記念パーティのステージと、連日連れ出して親交を深めております。
音色は完璧に気に入っているわけではありません。
PUかサーキット、あるいはその両方に手を入れたいと早速考えています。
重量もいかんともしがたいです。
計測しておりませんが5kg前後と、充分辛いと思わされるほどの重量です。
ただし、ストラップで吊った時の演奏フォームの決まり具合が、市販楽器のベストではないかというくらいよろしい。
それでやっていけるのでは、と考えたわけです。
またご紹介する機会を設けますが、最後に一言。
家に残しているLo-B 5弦は33インチのCitronただ一本になってしまいましたが、この34.625インチBrubaker6弦と、スケール換算で較べるPU位置がぴったり同じだったんです。
その位置はフェンダーと一致しませんが、両者はダブルHB仕様であり、キャラクター的には方向性も同様です。
なにか、アメリカン・ルシアーにはPUロケーションのコンセンサスができているのでしょうか。
はたまた偶然の一致なのか、あるいは指標となる(コピー元となる)実機が存在するのでしょうか(例えばgibsonTBとか?)
102本目だったかもしれません、ベースの。
先日お譲りしたFのVFですが、それによる資金を投入し、また某所で委託販売中だったBNが下取りとして旅立ちました。
2本手放し、1本獲得、ということになります。
本来、資金集めに幾本かの放流を決めたのは、新しい5弦ベースを入手するためで、それはおそらくはオーダーでしか存在し得ないだろうスペックだったために思い切るしかなかった次第。
その内容についてはここしばらく少しずつ触れておりましたが、電撃婚となった今回のお相手は、予期せぬ邂逅だったのです。
関内KAMOMEでのライブを二日後に控えた火曜日、当初使用予定だった4弦のKnoorenに新規の弦を試してみたいと都内某所で物色をしていて、なんとなしに目に入ったベースがそれでした。
ベースを選びに来たわけではなく、先述の通り、希望通りの仕様で作られたベースがそうそうないことを承知していたので、むしろそのことを確認すべく店内在庫の一通りをスキミングしていました。
へぇ、珍しいなと思ったのですが、やがて別件で他店へ赴き、そちらでも同様に新入荷の確認などしておりましたところ6弦が新着しており、薦められて試したところ好印象でした。
やがてはたと、先般の光景が脳裏をよぎり、あれもたしか6弦だったなと思い立って舞い戻り、慎重な試奏を経て決めてしまいました。
出会ったその日のお持ち帰りです。
タイトル通り、ものはBrubakerで、KXBというシングルカットデザインのボディを持つ、中でも装飾に力の入ったExtremeレンジの一品でした。
新しい5弦ベースではナローネック、弦間17.5mm@ブリッジ、22フレットを譲れないポイントとしており、その理由は左手の疲労軽減が主なものでした。
しかし、ただでさえワイドな6弦ベースであり、弦間19mmピッチ、24フレット、そしてスケール34 5/8インチ(Fの34.5よりも更に長い)という、真逆の方向性へ走ってしまいました。
我が家に、実は6弦ベースはあります。
記憶が確かであるならば生涯100本目のアニバーサリーとなる、長きにわたる製作期間を経て完成した実験的要素満載のHi-F仕様の特殊機です。
これは、実はまだ弾きこなせていないし、迎えるライブに相応しい武器でもなかった。
けれど、4弦で臨むのは、心の奥の方でコンサバ過ぎるのでは、と警鐘が鳴っておりました。
結局のところ、このbrubakerが、その日演奏する音楽に与えうるテクスチャーを妄想してしまったのが、衝動的に新規5弦ベースを実現する機会を放棄してしまった(延期ですがね)唯一の理由です。
むろん、出会っていなければ、こんなことにはなっておりません。
火曜の夜に持ち帰り、水曜の朝からリハーサルで使い、木曜日のライブ本番、翌日の仕事、翌々日の旅の共、その翌日も某バンド結成10周年記念パーティのステージと、連日連れ出して親交を深めております。
音色は完璧に気に入っているわけではありません。
PUかサーキット、あるいはその両方に手を入れたいと早速考えています。
重量もいかんともしがたいです。
計測しておりませんが5kg前後と、充分辛いと思わされるほどの重量です。
ただし、ストラップで吊った時の演奏フォームの決まり具合が、市販楽器のベストではないかというくらいよろしい。
それでやっていけるのでは、と考えたわけです。
またご紹介する機会を設けますが、最後に一言。
家に残しているLo-B 5弦は33インチのCitronただ一本になってしまいましたが、この34.625インチBrubaker6弦と、スケール換算で較べるPU位置がぴったり同じだったんです。
その位置はフェンダーと一致しませんが、両者はダブルHB仕様であり、キャラクター的には方向性も同様です。
なにか、アメリカン・ルシアーにはPUロケーションのコンセンサスができているのでしょうか。
はたまた偶然の一致なのか、あるいは指標となる(コピー元となる)実機が存在するのでしょうか(例えばgibsonTBとか?)
VF5 for sale! ② ― 2016年06月18日 21時05分14秒
twitterならびにこちらでも告知させていただきましたFのVFは、無事に新ユーザーさんに引き渡しました。
これからこの楽器で音楽を楽しんでいただけたならお譲りできて嬉しいです。
ところでヤフオクなどの個人売買で、転売とかやめてとか、大事に使ってくれる方へ、などの呼びかけを目にします。
これらを言わせてしまう売主の気持ちはよく理解できます。
買ったけど気に入らなかったものを手放すのと、何かの都合で思い入れのあるものを放出するのでは全然心持ちが違い、物品そのものに対してごめんねと謝りたくなります。
だからこそ大事にしてください、あなたは手放さないであげてくださいなんて書いてしまうのでしょう。
擬人化してしまっているんですね。
なんか今回はわたし自身、クールに振る舞いつつ、ひしひしとそれを感じました。
でも楽器ですから、弾き手との相性も小さくありません。
使ってみて合わなければ、また海原へ放流するのが良いと、基本的には考えています。
一度手放したそのものを、後日中古市場で再入手したこともあります。
楽器を大事にする、というのは傷みを与えないようケアすることとともに、鳴らしてあげるということに他なりません。
誰かが使って、より良い音の鳴る楽器へ育っていくのであれば、ワンオーナーにたいしてこだわる必要はありません。
FのVFシリーズ、本当にいいと思うんですよね。
見る人が見れば贅沢な造りをしていることが分かります。
そして、それが弾き心地と音を高レベルに押し上げる、正当な理屈に則って施されているよう見受けられます。
これから、特に4弦が、沢山入ってくるといいなぁと思います。
売却の情報拡散にご協力頂いたみなさん、ありがとうございました。
これからこの楽器で音楽を楽しんでいただけたならお譲りできて嬉しいです。
ところでヤフオクなどの個人売買で、転売とかやめてとか、大事に使ってくれる方へ、などの呼びかけを目にします。
これらを言わせてしまう売主の気持ちはよく理解できます。
買ったけど気に入らなかったものを手放すのと、何かの都合で思い入れのあるものを放出するのでは全然心持ちが違い、物品そのものに対してごめんねと謝りたくなります。
だからこそ大事にしてください、あなたは手放さないであげてくださいなんて書いてしまうのでしょう。
擬人化してしまっているんですね。
なんか今回はわたし自身、クールに振る舞いつつ、ひしひしとそれを感じました。
でも楽器ですから、弾き手との相性も小さくありません。
使ってみて合わなければ、また海原へ放流するのが良いと、基本的には考えています。
一度手放したそのものを、後日中古市場で再入手したこともあります。
楽器を大事にする、というのは傷みを与えないようケアすることとともに、鳴らしてあげるということに他なりません。
誰かが使って、より良い音の鳴る楽器へ育っていくのであれば、ワンオーナーにたいしてこだわる必要はありません。
FのVFシリーズ、本当にいいと思うんですよね。
見る人が見れば贅沢な造りをしていることが分かります。
そして、それが弾き心地と音を高レベルに押し上げる、正当な理屈に則って施されているよう見受けられます。
これから、特に4弦が、沢山入ってくるといいなぁと思います。
売却の情報拡散にご協力頂いたみなさん、ありがとうございました。
VF5 for sale! ― 2016年06月14日 16時52分17秒
ちょっと時間が空いてしまいましたが、先日Twitterで「売りたいのですが」と紹介したF-bassのVF5について、こちらのスペースで詳細を述べることにしました。
こちらは2015年3月完成のロットになります。
前年秋頃にFacebookのF-bass公式ページでon going itemの情報が公開されており、文字のみですがリストアップされた情報からピンポイントで求めていた仕様の一本がありましたので、正規代理店へ輸入して頂くよう依頼して、購入したものになります。
ですから、試奏することなく注文し、賭けのようなものでしたが、手に入れた本機はまさに逸品でした。
F-bassは通常ノーザン・アッシュをボディ材に使用しており、5弦であるならば4.5kg以上が、そのトーンを保証する要件であるかのようでしたが、こちらはアルダーボディ、スケールが34インチと、BNよりはやや短いながらも5弦にして3.8kgという、驚きの軽量ぶりでした。
これは大変にありがたかったです。
これに先だって、より初期のアルダー/ローズのVFを中古市場で見つけ、すっかり音質の良さに惚れ込み入手し、早速使用したならば、ライブそのものの第一印象として「ベースの音がいい」とプロのギタリストに言わしめた程でしたが、重量はやはりいつものF-bassでした。
わたしがこのスペックを選んだのは、フェンダーのJBにおいて、プリCBSのリアルビンテージを除けば、1972〜74年頃のアルダーボディ/メイプルワンピースネックの、いわゆる「ゲディ・リー・モデル」の年代が、一番使い勝手が良くて好きだったことがあります。
この頃のフェンダーを実際に使用していましたが、その感じのまま5弦が欲しいと、模索していたところ、先のリストに1本だけそれがあったのでした。
マーカス的な70年代後半、アッシュボディのJBが5kg近辺のヘビー級であるのに対し、4ボルト期、すなわち74年頃までのそれはアッシュを含めて4kg切るものも多くあり、軽いアルダーで、リアPUがブリッジに寄せられた70年代仕様のPUロケーション、という組み合わせで、今の時代でも汎用性の高い楽器が成立することに気付いておりました。
ですので、こちらのVF5は貼り指板ですがメイプルボード、そして軽量なアルダーボディ、70年代PUポジションというセッティング、ポジションマークはドットですがネックにセルバインディングが施され、ジョージ・ファーラネット氏は、おそらく軽量なアルダー材が手に入った時すでに、この路線で楽器を仕上げようと思ったに違いありません。
実機の印象を言いますと、まずローB弦への音質・音量のつながりが非常にナチュラルで、まったくの4弦の延長で5弦が鳴ってくれ、文脈的にはまさにフェンダーですが、緻密な計算上でそれを実現している背景事情を伺えます。
奏者としては、地味な楽器でありながら、そのキャラクターへの理解があったなら、使用上の何らのストレスも感じることがないでしょう。
その意味で、たいへん「オトナな」楽器です。
標準価格に上乗せされているのが、オリンピック・ホワイトカラー、ネック・セル・バインディング、ドットポジションマークの3点ですが、それぞれが高額であり、一番の円安時期とあって購入価格はざっくり60万円ほどでした。
Twitterでは売却希望価格を32万円(発送が必要な場合は送料込み)とご案内いたしました。
大変気に入っておりますが、弦間の狭いタイプの多弦ベースを注文する資金にすべく、泣く泣く手放す決意をしました。
楽器店への委託手数料を考慮すると、相場から逆算される売却価格が納得のいくものに届かないため、個人間の直接取引が成立するまで、粘り強く待ちたいと思っています。
こちらへのご連絡、お問い合わせは、お手数ですがTwitterを経由して頂けると助かります。
なお、大事なことでしたが、ブリッジはHipshoto製で始めスティールのものが付いていましたが、アルミのものに交換しました。
元のブリッジも付属いたします。
穴位置が異なり、プロの手により追加の加工を行い、再セッティングをしておりますのでこのままでお渡ししたいです。
以上、完全なオリジナルコンディションではありませんのでご理解の頂ける方にお譲りできればと思います。
画像の置き場:http://yahoo.jp/box/9iCm16
※取引完了につきリンク先は削除いたしました
こちらは2015年3月完成のロットになります。
前年秋頃にFacebookのF-bass公式ページでon going itemの情報が公開されており、文字のみですがリストアップされた情報からピンポイントで求めていた仕様の一本がありましたので、正規代理店へ輸入して頂くよう依頼して、購入したものになります。
ですから、試奏することなく注文し、賭けのようなものでしたが、手に入れた本機はまさに逸品でした。
F-bassは通常ノーザン・アッシュをボディ材に使用しており、5弦であるならば4.5kg以上が、そのトーンを保証する要件であるかのようでしたが、こちらはアルダーボディ、スケールが34インチと、BNよりはやや短いながらも5弦にして3.8kgという、驚きの軽量ぶりでした。
これは大変にありがたかったです。
これに先だって、より初期のアルダー/ローズのVFを中古市場で見つけ、すっかり音質の良さに惚れ込み入手し、早速使用したならば、ライブそのものの第一印象として「ベースの音がいい」とプロのギタリストに言わしめた程でしたが、重量はやはりいつものF-bassでした。
わたしがこのスペックを選んだのは、フェンダーのJBにおいて、プリCBSのリアルビンテージを除けば、1972〜74年頃のアルダーボディ/メイプルワンピースネックの、いわゆる「ゲディ・リー・モデル」の年代が、一番使い勝手が良くて好きだったことがあります。
この頃のフェンダーを実際に使用していましたが、その感じのまま5弦が欲しいと、模索していたところ、先のリストに1本だけそれがあったのでした。
マーカス的な70年代後半、アッシュボディのJBが5kg近辺のヘビー級であるのに対し、4ボルト期、すなわち74年頃までのそれはアッシュを含めて4kg切るものも多くあり、軽いアルダーで、リアPUがブリッジに寄せられた70年代仕様のPUロケーション、という組み合わせで、今の時代でも汎用性の高い楽器が成立することに気付いておりました。
ですので、こちらのVF5は貼り指板ですがメイプルボード、そして軽量なアルダーボディ、70年代PUポジションというセッティング、ポジションマークはドットですがネックにセルバインディングが施され、ジョージ・ファーラネット氏は、おそらく軽量なアルダー材が手に入った時すでに、この路線で楽器を仕上げようと思ったに違いありません。
実機の印象を言いますと、まずローB弦への音質・音量のつながりが非常にナチュラルで、まったくの4弦の延長で5弦が鳴ってくれ、文脈的にはまさにフェンダーですが、緻密な計算上でそれを実現している背景事情を伺えます。
奏者としては、地味な楽器でありながら、そのキャラクターへの理解があったなら、使用上の何らのストレスも感じることがないでしょう。
その意味で、たいへん「オトナな」楽器です。
標準価格に上乗せされているのが、オリンピック・ホワイトカラー、ネック・セル・バインディング、ドットポジションマークの3点ですが、それぞれが高額であり、一番の円安時期とあって購入価格はざっくり60万円ほどでした。
Twitterでは売却希望価格を32万円(発送が必要な場合は送料込み)とご案内いたしました。
大変気に入っておりますが、弦間の狭いタイプの多弦ベースを注文する資金にすべく、泣く泣く手放す決意をしました。
楽器店への委託手数料を考慮すると、相場から逆算される売却価格が納得のいくものに届かないため、個人間の直接取引が成立するまで、粘り強く待ちたいと思っています。
こちらへのご連絡、お問い合わせは、お手数ですがTwitterを経由して頂けると助かります。
なお、大事なことでしたが、ブリッジはHipshoto製で始めスティールのものが付いていましたが、アルミのものに交換しました。
元のブリッジも付属いたします。
穴位置が異なり、プロの手により追加の加工を行い、再セッティングをしておりますのでこのままでお渡ししたいです。
以上、完全なオリジナルコンディションではありませんのでご理解の頂ける方にお譲りできればと思います。
画像の置き場:http://yahoo.jp/box/9iCm16
※取引完了につきリンク先は削除いたしました
リスト更新⑤ ― 2016年06月10日 11時50分25秒
同率11位となる3本所有の、もう一方はCitronでした。
製作家のハービー・シトロン氏は、ウッドストックの自宅を訪ねたことがあります。
そこで彼の作ったBO-4という楽器を直接売ってもらいました。
プレーンなメイプルトップに、ホワイトリンバボディ、ネックはメイプルで指板がウェンジでした。
近郊に住むマイケル・トバイアス氏の好みそうな材の組み合わせで、何かしらの影響を感じます。
アメリカの個人製作家は、これくらいの大御所となっても触発され合って切磋琢磨している様子を覗えるのが興味深いです。
今はシトロンPUを自家製で用意しますが、当時は既成のパーツを乗せていましたので、ここにはアクティブサーキットと共にEMGが付けられていました。
とても好きな楽器でしたが、G線Eb付近にデッドスポットが目立つため、これを手放しました。
泣く泣くというやつです。
持っていた楽器のボディ材は、それまでセン、アルダー、アッシュ、マホガニー、バスウッドといったものが使用されていました。
ウォルナットなども市場にありましたが、自分で買ったことはその時点ではなく、このシトロンのリンバ(コリーナ)がいわゆるエキゾチック・ウッドとしては初になります。
というわけで、これを契機に木材志向を強めてしまいます。
2002年のことです。
木材事典的な書物を、洋書メインにずいぶん集めました。
どんな材がどんな音の楽器となるのか探求を始めたのが、100本を超える履歴を形成する発端となりました。
ハービーに会ってしまったのが間違いの始まりだったのです。
彼はたしか建築家となるべく勉強をした人で、精密な図面を引くのは得意とするところなはずです。
全ての楽器が、仕入れた木材から自ら切り出し、顧客の細かいリクエストを反映した設計図通りに組み上げられます。
決して多作家ではありませんが、著名な楽器奏者の信頼を得て、半世紀の経験を持ってしても日進月歩を止めません。
名人によってノミとカンナで削り出されたネックやボディの感触は、コンピューターに管理され量産される大企業の製作物とはまるで異なり、筋肉質なアスリートの肌のように研ぎ澄まされ、生々しく、訴えかけてくるものがあります。
33インチ、22フレット、弦間19mmで、その後BO-5をオーダーします。
それだけ(とカラー)を伝え、仕様はおまかせしたところ、メイプルトップ/アッシュバック/メイプル3ピースネック/マッカサーエボニー指板/シトロン・ハンドメイドPU/アギラープリアンプという仕様でできあがってきました。
タグにはわたしの40数回目の誕生日に当たる日付が刻まれていました。
音の方は、かつてのBO-4ほどには気に入らず、しかし楽器としての愛着はそれ以上のものがあって、なんとか好みに近づけるべくサーキットとPUを相当数試してみました。
最近になって、ノードストランドで特注したPUが満足のいく音を出してくれ、サーキットはパッシブのままですが、漸くまた仕事で使える気分になってきました。
もう1本のシトロンについてはまた別の機会に話しましょう。
製作家のハービー・シトロン氏は、ウッドストックの自宅を訪ねたことがあります。
そこで彼の作ったBO-4という楽器を直接売ってもらいました。
プレーンなメイプルトップに、ホワイトリンバボディ、ネックはメイプルで指板がウェンジでした。
近郊に住むマイケル・トバイアス氏の好みそうな材の組み合わせで、何かしらの影響を感じます。
アメリカの個人製作家は、これくらいの大御所となっても触発され合って切磋琢磨している様子を覗えるのが興味深いです。
今はシトロンPUを自家製で用意しますが、当時は既成のパーツを乗せていましたので、ここにはアクティブサーキットと共にEMGが付けられていました。
とても好きな楽器でしたが、G線Eb付近にデッドスポットが目立つため、これを手放しました。
泣く泣くというやつです。
持っていた楽器のボディ材は、それまでセン、アルダー、アッシュ、マホガニー、バスウッドといったものが使用されていました。
ウォルナットなども市場にありましたが、自分で買ったことはその時点ではなく、このシトロンのリンバ(コリーナ)がいわゆるエキゾチック・ウッドとしては初になります。
というわけで、これを契機に木材志向を強めてしまいます。
2002年のことです。
木材事典的な書物を、洋書メインにずいぶん集めました。
どんな材がどんな音の楽器となるのか探求を始めたのが、100本を超える履歴を形成する発端となりました。
ハービーに会ってしまったのが間違いの始まりだったのです。
彼はたしか建築家となるべく勉強をした人で、精密な図面を引くのは得意とするところなはずです。
全ての楽器が、仕入れた木材から自ら切り出し、顧客の細かいリクエストを反映した設計図通りに組み上げられます。
決して多作家ではありませんが、著名な楽器奏者の信頼を得て、半世紀の経験を持ってしても日進月歩を止めません。
名人によってノミとカンナで削り出されたネックやボディの感触は、コンピューターに管理され量産される大企業の製作物とはまるで異なり、筋肉質なアスリートの肌のように研ぎ澄まされ、生々しく、訴えかけてくるものがあります。
33インチ、22フレット、弦間19mmで、その後BO-5をオーダーします。
それだけ(とカラー)を伝え、仕様はおまかせしたところ、メイプルトップ/アッシュバック/メイプル3ピースネック/マッカサーエボニー指板/シトロン・ハンドメイドPU/アギラープリアンプという仕様でできあがってきました。
タグにはわたしの40数回目の誕生日に当たる日付が刻まれていました。
音の方は、かつてのBO-4ほどには気に入らず、しかし楽器としての愛着はそれ以上のものがあって、なんとか好みに近づけるべくサーキットとPUを相当数試してみました。
最近になって、ノードストランドで特注したPUが満足のいく音を出してくれ、サーキットはパッシブのままですが、漸くまた仕事で使える気分になってきました。
もう1本のシトロンについてはまた別の機会に話しましょう。
リスト更新④ ― 2016年06月07日 21時09分01秒
数えてみたらこれまでに101本のベースを所有したことがわかりました。
時系列では並べられませんでしたが、ブランド毎に整理すると、そこから浮かび上がる事実があります。
便宜上ベスト10として紹介してきましたが、その合計で56本ですから、残り45本は、3本所有していたブランド、2本だけ、1本だけといったもので占められます。
45本というのもすごいですね。
3本持っていたブランドは2社あり、Fender JapanとCitronになります。
フェンダージャパンは実を言うと全ていまでも持っています。
古いJBをフレットレスとフレッテッドで、別途オークションでジャンクの物を手に入れ、一方のボディのお腹の辺りをスイミングプールのように穴を空け、PUをどこに付けるとどんな音がするのか試せるように改造しました。
これに2本のネックを差し替えて、フレット有無でも試せるようにした、実験用「2コ1」となっています。
PUはEMGでJJやPJ、ブリッジはバダスが付いています。
現場で使える状態ではありませんが、結構良い音がします。
もう1本は5弦のフレットレスでPBシェイプですが、これも元はフレッテッドでした。
ナローネックで弦間が狭く、今求めている楽器の雛形となったとも言えます。
バーチーズの斉藤さんに加工を依頼し、フレット高の減少分をコーティングで稼いでおり、ネックポケットをシムなどで弄ることなくベストなセッティングを出せています。
PUはPだけでしたが、Jを追加すべく、更なる加工を依頼中です。
EMGを付けていましたが、ビルローレンスも用意してあり、パッシブにするかも知れません。
Jの位置は先の実験用ベースで決定した特殊な場所で、リアというよりセンターです。
弾き心地の追求とともに、自分の信じる良い音を出したくて、PUやハードウェアなどのコンポーネンツの選定だけに止まらず、様々なことを考え、実践しています。
自分が製作家でないのは歯がゆいですが、色々とやってくれる方が周囲におりますので協力を仰いでいます。
PUの位置は、できあがった楽器で変えるには大事ですが、新しく作る場合には自由に選べる要素の一つです。
既存の価値観にとらわれず、いろいろやってみたら良いのにと思いますが、既製品は保守的なユーザーに支えられているので冒険は難しそうです。
時系列では並べられませんでしたが、ブランド毎に整理すると、そこから浮かび上がる事実があります。
便宜上ベスト10として紹介してきましたが、その合計で56本ですから、残り45本は、3本所有していたブランド、2本だけ、1本だけといったもので占められます。
45本というのもすごいですね。
3本持っていたブランドは2社あり、Fender JapanとCitronになります。
フェンダージャパンは実を言うと全ていまでも持っています。
古いJBをフレットレスとフレッテッドで、別途オークションでジャンクの物を手に入れ、一方のボディのお腹の辺りをスイミングプールのように穴を空け、PUをどこに付けるとどんな音がするのか試せるように改造しました。
これに2本のネックを差し替えて、フレット有無でも試せるようにした、実験用「2コ1」となっています。
PUはEMGでJJやPJ、ブリッジはバダスが付いています。
現場で使える状態ではありませんが、結構良い音がします。
もう1本は5弦のフレットレスでPBシェイプですが、これも元はフレッテッドでした。
ナローネックで弦間が狭く、今求めている楽器の雛形となったとも言えます。
バーチーズの斉藤さんに加工を依頼し、フレット高の減少分をコーティングで稼いでおり、ネックポケットをシムなどで弄ることなくベストなセッティングを出せています。
PUはPだけでしたが、Jを追加すべく、更なる加工を依頼中です。
EMGを付けていましたが、ビルローレンスも用意してあり、パッシブにするかも知れません。
Jの位置は先の実験用ベースで決定した特殊な場所で、リアというよりセンターです。
弾き心地の追求とともに、自分の信じる良い音を出したくて、PUやハードウェアなどのコンポーネンツの選定だけに止まらず、様々なことを考え、実践しています。
自分が製作家でないのは歯がゆいですが、色々とやってくれる方が周囲におりますので協力を仰いでいます。
PUの位置は、できあがった楽器で変えるには大事ですが、新しく作る場合には自由に選べる要素の一つです。
既存の価値観にとらわれず、いろいろやってみたら良いのにと思いますが、既製品は保守的なユーザーに支えられているので冒険は難しそうです。
リスト更新③ ― 2016年06月07日 01時16分16秒
これまでのところをおさらいしておくと、4本持っていたことがあるのはFender USA、Freedom Custom Guitar Research、Knooren Guitars、YAMAHA、5本持っていたことがあるのはAlleva-Coppolo、MTD、6本がKen Smith、7本がAlembicという順でした。
でいよいよ2位なのですが、こちらはすでに手放した物ばかりで、2002年より以前となります。
初めての1本は1989年のオーダーで、PBシェイプにブランドオリジナルのWハムバッカー仕様の、PJ的ともMM的とも言える特注品でした。
ワンピースの軽量なアルダーボディにシースルーのパールホワイト、指板はエボニー、ジュラルミンナット。
プロになったと線引きできる初仕事へはこのベースを携えて参加するも、古参のトランペッターに、聞いたことのない音と嫌われ、やがて不本意ながらJBをオーダーしました。
このPBシェイプには、同仕様で作ったフレットレスがあったことを、数日前に突如思い出しました。
PUをバルトリーニに交換した事がある、あれはどのベースだったかな?と思い巡らし、それまでに書き留めていたリストに漏れていたことに気付いたのです。
いや、交換しなかったな。
そう思ってPUを購入し、ついぞ使わず、共に手放したのだったかな。
最初のホワイトのは、結局一番最後まで持っていました。
本当に個性的で、鳴りが抜群で、ちょっと他に無い。
そして、先述のJBも90年代を通して殆どの仕事で使用し、同ブランドの5弦ベースをいくつか試した次に、Knoorenベースから6弦を模索する時代に入り、やがて人生の転機を迎えて、その時点で持っていた楽器を全て手放したのでした。
紹介が遅れましたが、以上はアートテックというブランドの話です。
製作された杉浦さんには、わたしの20代半ばから10年余り、ひとかたならぬお世話になりました。
本当に色々な事を教えて頂きましたが、ミレニアムを超えたところで疎遠となってしまい、心のこもった製作物を全て手放すに至って、その後ろめたさもあって、今も不通の状態となっています。
国内の楽器製作も、この頃は少し変化があるように思いますが、1960年代まで遡れば、ESPの椎野さん周辺の人物が牽引してきたというのが、部外者ではありますがわたしの歴史観です。
今でも業界をリードする現役の方々ばかりですので、彼等の送り出した様々な楽器を実際に使用してきた立場から思うところはありつつも、公に語るのは控えます。
しかし、中でもアートテックは、ずば抜けて良かったと明言しますし、そのおかげでわたしはこの仕事に就けたと感謝の弁しかありません。
生来の気質から、わたしは強く影響を受けた事柄にさえ、ある時をもって疑いの目を向けます。
信じる力が強いものですから、時に根幹を揺るがされる程の衝撃を受けると、そこから学べることを可能な限り受け入れてみます。
10年単位で時を経ると、自分の信じたそれが本物だったのか、ささやかながら検証してみます。
それはまた、影響下にあった時と同じかそれ以上の時間を必要としますが、咀嚼だけでは消化と言えません。
そう多くの事柄が、いまのわたしを形作ってるとも思えませんが、使用する楽器に関して、それを良いとか悪いとか、自分なりの判断を行えるのも、アートテック製の楽器で、使えるだけの時間をたっぷり練習に費やした時代があってこそだと考えています。
でいよいよ2位なのですが、こちらはすでに手放した物ばかりで、2002年より以前となります。
初めての1本は1989年のオーダーで、PBシェイプにブランドオリジナルのWハムバッカー仕様の、PJ的ともMM的とも言える特注品でした。
ワンピースの軽量なアルダーボディにシースルーのパールホワイト、指板はエボニー、ジュラルミンナット。
プロになったと線引きできる初仕事へはこのベースを携えて参加するも、古参のトランペッターに、聞いたことのない音と嫌われ、やがて不本意ながらJBをオーダーしました。
このPBシェイプには、同仕様で作ったフレットレスがあったことを、数日前に突如思い出しました。
PUをバルトリーニに交換した事がある、あれはどのベースだったかな?と思い巡らし、それまでに書き留めていたリストに漏れていたことに気付いたのです。
いや、交換しなかったな。
そう思ってPUを購入し、ついぞ使わず、共に手放したのだったかな。
最初のホワイトのは、結局一番最後まで持っていました。
本当に個性的で、鳴りが抜群で、ちょっと他に無い。
そして、先述のJBも90年代を通して殆どの仕事で使用し、同ブランドの5弦ベースをいくつか試した次に、Knoorenベースから6弦を模索する時代に入り、やがて人生の転機を迎えて、その時点で持っていた楽器を全て手放したのでした。
紹介が遅れましたが、以上はアートテックというブランドの話です。
製作された杉浦さんには、わたしの20代半ばから10年余り、ひとかたならぬお世話になりました。
本当に色々な事を教えて頂きましたが、ミレニアムを超えたところで疎遠となってしまい、心のこもった製作物を全て手放すに至って、その後ろめたさもあって、今も不通の状態となっています。
国内の楽器製作も、この頃は少し変化があるように思いますが、1960年代まで遡れば、ESPの椎野さん周辺の人物が牽引してきたというのが、部外者ではありますがわたしの歴史観です。
今でも業界をリードする現役の方々ばかりですので、彼等の送り出した様々な楽器を実際に使用してきた立場から思うところはありつつも、公に語るのは控えます。
しかし、中でもアートテックは、ずば抜けて良かったと明言しますし、そのおかげでわたしはこの仕事に就けたと感謝の弁しかありません。
生来の気質から、わたしは強く影響を受けた事柄にさえ、ある時をもって疑いの目を向けます。
信じる力が強いものですから、時に根幹を揺るがされる程の衝撃を受けると、そこから学べることを可能な限り受け入れてみます。
10年単位で時を経ると、自分の信じたそれが本物だったのか、ささやかながら検証してみます。
それはまた、影響下にあった時と同じかそれ以上の時間を必要としますが、咀嚼だけでは消化と言えません。
そう多くの事柄が、いまのわたしを形作ってるとも思えませんが、使用する楽器に関して、それを良いとか悪いとか、自分なりの判断を行えるのも、アートテック製の楽器で、使えるだけの時間をたっぷり練習に費やした時代があってこそだと考えています。